プロフェッショナルの条件

だいぶ前に、読み終えていましたが、書けなくて、GWの最終日にやっと書く気になりました。面白くて、考えさせられることの多い内容でした。ドラッカーの著作には、どの本でもそのように感じますが、「貢献」「成果」という言葉が頻繁に登場します。この本の場合には、タイトル(原題:TO PERFORM, TO CONTRIBUTRE AND TO ACHIEVE)になっているので当たり前と言えば当たり前です。繰り返し説いています。どのような貢献が出来るか自問せよ、と。
得意なことに集中せよ、とも言っています。言われてみれば、そうだな、と思うことばかりですが、豊富なエピソードを用いて、説得力のある説を展開しています。時間が経っていて、一字一句記憶しているわけではありません。最も感銘を受けた話しは、ギリシャの彫刻家フェイディアスの話しです。鑑賞する者には一切見えない場所にも力をこめて、法外な値段を請求していると、発注者に文句を言われたが、「そんなことはない。神々が見ている。」と答えたという逸話です。ドラッカー自身の話しではありませんが、勇気付けられる逸話です。私は常に完全を目指して仕事をしているつもりです。神々に見られても良いレベルには程遠いですが。しかし、そんな仕事をしていると、「コスト」とか「効率」とか、そういう言葉をちらつかせて、「そこまでやる必要はない。」と私の勇気を挫く人々が居ます。常に一流の成果を挙げようと思って取り組んでいますが、それが伝わらなくてストレスが溜まります。時に、そのようなことに惑わされて、「適当な仕事=効率の良い仕事」という言葉で自らを騙そうとすることさえあります。そんなときに私を勇気付けてくれました。これまで私を勇気付けてくれた人や、書物は、

  • 駿台予備校時代に数学を教えておられた長岡亮介師(直接親交があったわけではなく、授業を受けていただけです。)
  • 国家の品格 (新潮新書)
  • 高校時代の友人たち(故郷に居て、会うことはあまりありませんが、彼らに胸をはれる生き方をしなければならない、といつも思っています。)

でしたが、それに次ぐものかも知れません。これから先も読み返す本の一つになるでしょう。
本書については、書きたいことが沢山ありますが、繰り返しになるものも含め、心に残った主張を書いておきます。

  • 成果を上げることに集中せよ。
  • 成果を上げることは一つの習慣である。
  • 如何に貢献すべきかを考えよ。
  • 得意なことに集中せよ。
  • 役職が変ったら、仕事のやり方を見直せ。
  • 定期的に自分の仕事を分析してフィードバックせよ。

読んでいる間はピンと来ないものもありました。この日記を書くにあたって、パラパラと読み返していると、ドラッカーがこの本で言いたいことが、上に書いたキーワードと共に、私の中で、有機的に結びつき始めている気がします。
最近良く思うことは、「人生一度きり」ということです。無駄なことをしている暇はありません。