幸せなシステムの作り方

「幸せなシステム」のつくり方 (システム開発新時代)

「幸せなシステム」のつくり方 (システム開発新時代)

タイトルを正直に捉えると、いわゆるHOW-TO本のような印象もあるが、そうではない。テクニック・手法を述べた本ではない。「幸せな」という情緒的な言葉を使っていることからも、ある程度予想できると思うが。一言で言えば、システム開発を行う上で、一番大切なのは「マインド」である、という主張の本だ。私も同意見だ。だからこそ、このブログを書いている。立場上、中途採用応募者を面接したり、プロジェクトメンバーを面接したりすることが良くあるが、その際に私が一番面接で知りたいことは、「この人のマインドは高いか?」である。勿論、業務知識や技術力も重要であるが、それは2の次だ。なぜなら、業務知識や、技術は、学べば身につくからであり、逆にマインドは、幾ら学ぼうと望んでも簡単には身に付かないからだ。
新人を教育する場合であれば、業務知識や技術でなく、マインドを叩き込もうとする。特に技術などは、勝手に学べ、というような態度である。この本を読んで、「そうそう」と頷くことは色々あったが、そこでジレンマに行き着く。マインドの低い人間にこそ、このような本を読んで欲しいのだが、そういう人間程、読んでも何も感じないからだ。でも最近はあきらめてしまった。マインドの高低や有無は、変えられないから、指示をする側の人間がそれを見抜いて、無い人間あるいは低い人間には、こと細かく手順を示して、考えなくても良い仕事しかさせないようにするしかない、と考えるようになり、また、実際そのようにしている。そうすると、当然、彼または彼女にやってもらう仕事がどんどん減るのだが、それも仕方が無いと思っている。重要な仕事を任せて、信用が失墜したり、大損害を受けるよりはましだからだ。途中で気がついた人は劇的に変るし、そうでない人は、小手先のことを学んで、成長した気になっている。マインドのない人はこの業界をやめるしかないだろう。悲しいことだが。