ドキュメントを作る目的

顧客から作業依頼を受けた。「あるシステムの仕様書がない。ブラックボックスだから、リバースして仕様書を起こして欲しい。」仕様書が無いこと自体は良くある話しだ。仕様はコードに聞けってなもんだ。出だしとしては良いだろう。どういう粒度を要求されていますか、と質問した。「あまり考えていないから任せる。」と言う話しだ。粒度が分からないということは、「何のための仕様書か考えていない」ということに等しい。誰が、何のために読む仕様書か、という根本的なことが分からない。依頼をしてきた当人は、上から言われて伝えただけだろう。しかし。目的の無いドキュメントを作っても無意味だ。ドキュメントを作ること自体が目的になっている。読む人が居て初めて、ドキュメントとして成立する。メッセージは、相手に伝わって初めて、この世に存在する。何も考えていない人間は去れ。