列車が遅れており申し訳ありません、は聞き飽きた。

先日、台風が関東地域を直撃した。金曜日の朝、遅れているだろうと予測して少し早めに家を出た。それでも、朝の会議に間に合わず、40分遅刻だった。遅れの見積が甘かったのだ。私が甘かった。だが、遅れている電車を待っている間、いつものことだが、非常にイライラさせられた。状況が分からないからだ。駅員のアナウンスは、「遅れており、申し訳ありません。もう暫くお待ち下さい。」の一点張りである。遅れているのは見れば分かるし、あの状況で、定刻通りに運行させろと言うつもりもない。一般の勤め人は、時間を基準に仕事を進めており、また、他人の時間を提供してもらいながら仕事をしている。何時に誰と打ち合わせ、何時に客先訪問、何時に部下のお悩み相談など。今回の駅員初め、交通機関は、そのことをあまり分かっていない。(航空会社は学んで変ったように思えるが。)
知りたいのは、「どの程度遅れるのか。」であり、それを言えなければ、こちらで代替手段を考えたり、どの程度遅れるのかを見積れる情報が欲しいのだ。何故止まっているのか、全体としてどういう状況なのかを知らせれば良いのだ。例えば、お待ち下さいではなく、次に来るはずの電車が、今何処何処駅で止まっています、という情報だ。そうすれば、待たされている当人ばかりでなく、間接的に待たせている人間の時間を浪費せずにすむ。それを「お待ち下さい。」では、ただのガキの使いだ。第一には、相手を待たせないのが、大事なことだが、その次に大事なのは、待たせるのなら、どの程度待たせるのか、である。ある人を拘束するということは、時間も勿論のこと、お金を使っているということだ。お金は使ったが、成果は上がらない、なんていうことは、民間企業では許されない。一応は民間企業を名乗っている日本旅客鉄道ではあるが、実態は悪い意味での公務員と何も変らないということが、よく分かる。列車が時刻どおりに運行しないと、どれだけの無駄金が計上されてしまうのか、よく考えて欲しいものだ。私は、コンピュータシステムのヘルプデスクの仕事もする。ユーザーの質問に答えたり、トラブルや障害に対処したりする。何をすればユーザーが喜ぶか、何をすれば、あるいはしなければユーザーが怒るのか、ある程度分かっている。一番やってはいけないのは、相手が判断するのに必要な情報を与えないことだ。いつ頃トラブルが解消します、いつ頃また報告します、と言った類のことを言わなければならない。あるいは、システムでは解決できなくても、別の解決方法を教えてあげるのも、大切な仕事だ。今回の一件で、JRはトラブル対処のいろは(対ユーザーの)も分かっていないことが明確になった。駅員の意識向上、会社としてのサービスレベルの向上を是非お願いしたい。いつまでも甘えてると、とんでもないことになる。