筋の通らない人

実は、何を書こうか考えもせずに、書き始めた。タイトルの「筋の通らない人」とは、当社の人事・人材開発担当部門の長である。出来て間もない会社なので、新人の採用はせず、経験者のみの中途採用で人材を充足してきた。
中途採用だと、各人のスキルに斑があることもあって、今年度から社員研修制度を立ち上げ、社員の自己研鑽をフォローアップすることになった。あくまで社員の自己研鑽のフォローである。最初に、人材開発担当部のヒアリングがあった。その後、人材開発ロードマップ風の紙と共に、各社員に対する受講セミナーが推薦された。「推薦」であって、命令ではない。
だが、受講セミナーの選択肢はなく、「いつ受けるのか、各部員に問い合わせてくれ。」というのが私に対する最初の依頼である。この時点でおかしい。何故、選択肢が無いのか。私は、「推薦」セミナーにとらわれず、各部員の現状に合わせてセミナーを検討し、これをいつ受けたい、と返信した。その返信がご不満の様子で、「最初に推薦したコースを受けてくれ。」と言ってきた。ここでは部員の二人の例を記す。部員甲に対しては、Xが推薦されたが、Aを受けたいと返信。部員乙に対しては、Yが推薦されたが、Xを受けたいと返信。表にすると、以下の通り。

部員 年齢 推薦 希望
29 X A
29 Y X

それに対する、人材開発部門の回答は、意味の分からないものだった。「甲さんの世代の方には、皆コースXを受けて頂いております云々。乙さんは、Yの類のコースを受講した経験がないそうですので、是非Yを受けて下さい。社長もお勧めしています。」というものだ。甲と乙は同世代だ。にもかかわらず、乙にはXを推薦していない。しかも、乙のコースについては、「社長」という言葉をちらつかせ、圧力をかけている。カチンと来たので、当初は戦うつもりだった。が、時間を無駄にしそうだったので、甲のコースについては承諾(来年希望コースを受講できるという前提で)し、乙のコースについては、直属の事業部長に直訴してみた。「乙には、XとYの二つを受けさせて下さい。」「良いよ。お前に任せる。」というやり取り。その後、人材開発部門には、返信しないで放置しておいたら、「事業部長に聞きました。乙さんは二つ受けて結構です。」と来た。この男、ロジックの一貫性もないし、社内の上下関係だけで主張を変える男である。×。