アメーバ経営

アメーバ経営―ひとりひとりの社員が主役

アメーバ経営―ひとりひとりの社員が主役

最近は、マネジメント(=経営)系の書籍にも触手を伸ばしつつある。漸く、自分の役職にマネージャと冠されていることの意味が分かってきた身としては、「なるほどね」の連続だった。会社の役員がこれ(私の告白)を読めば、「おいおい、今頃分かったのかよ。」という感じだろう。いや何とも申し訳ない。マネジメントに関する書籍には、今まで読んだ数少ない本から類推すると、この本で言うフィロソフィを説くものと、人身掌握術を説くものに分類できそうな気がする。この本は、前者である。いや、違う気もする。ストックが足りないので、まだ分類する域に達していない、というのが本当のところ。ドラッカーTOCを読んだとき、頭では分かっていたが、今ほど実感として沁みることは無かった。本のせいではない。私の精神の問題である。
アプローチこそ違っていても、マネジメントたるもの、利益を出し続けることに全力を尽くさなければならない。この本は、その集大成の一例である。アメーバ経営の核心は、社員全員に経営者の感覚を持ってもらうこと。これに尽きるのではないだろうか。絶対値の差はあっても、社員全員が平行なベクトルを持つような経営である。そのためには、組織を採算がはっきり分かる形のアメーバにわけ、自分の仕事が日々の経営状況に直結していることを実感させる。たまたま、会社の役員が稲盛さんの本を読んでいることを知り、私も手にとってみたわけであるが、嬉しい誤算だった。ばちっと来た。
関東は金木犀の香りに包まれている。この季節にこれを読めたことに感謝。