ブルーオーシャン戦略

だいぶ前に購入して持っていたのだが、最近読んだアメーバ経営に刺激されて読んでみた。少なくとも買ったときよりは、今のほうが吸収する下地が出来ている。話しは単純。競合他社が犇く既存の市場がレッドオーシャンで、敵のいない新しい市場がブルーオーシャンである。キーワードは、バリューイノベーションだろう。新しい価値セットの提供とでも言おうか。この人たちの話を読んでいると、いとも簡単にブルーオーシャン戦略が練り上げられるように思えてくるが、そうは行かない。まず、大事な分析の段階で出てくる「戦略キャンバス」が描けない。組織の事業に影響を与えている要素を列挙し、どの程度顧客に価値を提供しているのか、グラフにして表す。それをにらみながら、既存の市場や競合のグラフとは違う形のグラフ(=戦略)を練り、実行に移す。違う形のグラフを描くためのフレームワークも本書では紹介している。色々と筋道立てて、論文のように話は進む。(実際、論文なのかもしれない)
まぁ、これを実行できれば苦労はしない、というお話しだが、頭の片隅で記憶しておいても良いだろう。ブルーオーシャン戦略という大げさな経営戦略を掲げなくても、「現状のサービスから削るべきものはなにか、逆に現状のサービスに付け加えるべきものは何か。」と言う視点でものを見るだけでも、新しいビジネスモデルを生み出す素地を養えるかもしれない。騙されたと思って本気でやれば、それなりの戦略が描け、それなりの収益が上がるだろうが、そこまでの逼迫感がまだ私にはない。というよりも、まだ当社は出来たばかりの会社で、付加価値より、基本価値に勢力を費やす時期だ。とは言え、数ヵ月後に、もう一度この本を読み返している気もする。事業部分割も近い将来ありうることだから。