是非欲しい人材とは

IT業界は人材不足である。外国に人材を求めるほどの人材不足である。自分の部下と呼べる人たちを見ていても、首を傾げたくなる者も正直いる。少なくとも私が欲しい人材は、

    • 本質・仕組みをつかもうと努力し、実際につかめる人
    • まともな文章を書ける人
    • 向上心を当たり前のように持っている人
    • 論理的な思考・説明が出来る人
    • 常に自分なりのソリューションを持ち、思考・発信・検証出来る人
    • アドリブが効く人
    • 顧客の利益を常に考えている人

である。ただし、前半の4つは必要条件である。IT業界に飛び込んでくる人なら、当然身に着けているものと思っていたので、これまでわざわざ言うことが無かった。だが、どれも一朝一夕に身につくものではない。大げさなのかもしれないが、これまでどのように考え、生きてきたか、に関わる資質だろう。書くのもかったるいと思っていたのだが、一つずつもう少し詳しく書いてみよう。

    • 本質・仕組みをつかもうと努力し、実際につかめる人

特に技術的にこれがない人は、QCDに大きなインパクトを与えるチームにはアサインできない。私が良く引き合いに出す話しだが、HTTPとはどんなプロトコルか、SMTPとはどんなプロトコルか、という説明・理解が出来ない人に、アーキテクチャ設計を任せたり、上級プログラマ、SEの職位を与えることは出来ない。また、業務のことについても、複式簿記の仕組みが分からない人に、基本設計のセッション、ユーザーヒアリングに参加させることは出来ない。教えることは出来るだろうが、いちいち教えている暇はない。

    • まともな文章を書ける人

勘違いしている者がいるのだが、名文を書けと言っているのではない。単語を正しく使えて、文法的に間違いのない、大人の文章を書ければよい。上手い下手で置き換えるものがいるが、上手い下手を論ずる前のレベル、正しいか正しくないか、のレベルである。また、絶対間違えるな、と言っているのでもない。人間だから、誤字脱字はある。だが、「この間違いは、根本的な国語力がない人間のなすものだ」と思えるような間違いが多い。それはゼロでなければならない。コンサルタントの書く高い書類に、国語力を疑われるような間違いがあっては商売にならない。

    • 向上心を当たり前のように持っている人

伝わるかどうか難しいところだが、自分を向上させようと常に学んでいなければ、直ぐについていけなくなる。それを人に言われるのでなく、己の内側から当たり前のように湧き出ているくらいでなければならない。

    • 論理的な思考・説明が出来る人

当たり前のスキルなのだが、これが出来ない人が多い。根拠のない主張、ソリューションを提言、提案して、顧客が納得するだろうか。自分の出した結論に、「それは何故?」と突っ込まれると、直ぐに答えに詰まる人が多すぎる。基本は、常に主張に対する理由を考える訓練から始まるのだろう。社会人になってから学ぶのでは遅すぎる。
ちょっと長くなってきたので、続きは次回。