欲しい人材とは2

前回、欲しい人材に求める条件を挙げ、その4つ目まで書いた。今回は、残りの3つについて。

    • 常に自分なりのソリューションを持ち、思考・発信・検証出来る人

前回の4つは、学生時代のすごし方、それまでの心構えに大きく左右される資質だったが、今回の3つは、そうでもない。割と有名な、だが、超一流とは呼ばれない大学を卒業している人に多いのだが、調査・分析力はあるが、それで終わっている人が居る。
まずは、「思考」の側面。報告を頼むと、これこれこうで、云々かんぬん、と理路整然と説明出来るが、「で?」と聞くと、「え?」と平然と答える自称SEが居る。「で?」の真意は、「現状の問題点は分かった。では提案する側として、何を推すべきか。」ということだが、「分かりません。」「さぁ。」と当たり前の顔をする。分析だけして、提案が出来ない。自分の仕事がさっぱり分かっていない。ここから「発信」について。内輪ではあるソリューションについて不満を漏らすが、ステークホルダーの前では、猫をかぶっている人が居る。酒を呑んだり、ステークホルダーの居ない場面では、「そもそも、それが間違いなんですよね。」なんて偉そうに言っている。でも、間違いだ、と説明する度胸もないし、理論武装も出来ないものだから、黙っている。恐ろしく不誠実な姿勢だ。こんな奴は信用できない。また、思考・発信出来ても、検証出来ないのも困る。ソリューションを考え、公に出来るのだが、根拠がない。無責任極まりない。

    • アドリブが効く人

これは高等スキルだ。アドリブと言っても、根拠のないアドリブはだめだ。知識・経験に基づく、その場の状況に応じたアドリブだ。とっさに「アドリブ」と書いてしまったが、優先順位判断能力と言うべきだったかもしれない。想定外のトラブル・状況が起こったときに、何を最優先とすべきか判断して、それを実行に移せる人である。

    • 顧客の利益を常に考えている人

アドリブのこととも関係あるが、何を優先するか、についての考え方が分かっていない人が居る。オンラインの航空券予約システムが突然落ちたとする。復旧に努めるのも勿論やるべきことの一つだが、最優先すべきは、そのシステムなしでも予約が出来るようにすることである。顧客は、フライトの予約が出来ればそれで良いのだから。こういう力は、ライブで仕事をしている人、例えば、ER医、パイロット、接客業の人には必須の力だが、IT業界の人は、他の業界と比べてあまり考えていないように感じる。

と2回に分けて長々と書いてしまった。自分の頭を整理する意味でよかった。